私の名前はブタクサ。キク科ブタクサ属、北アメリカ出身です。
本来は学名で「Ambrosia artemisiifolia」と言う名前なんです。
Ambrosia(アンブロシア)は、ギリシャ神話で神様たちが食べる不老不死の食べ物のこと、「artemisiifolia」はヨモギの葉を意味します。
つまり神々が食す不老不死のヨモギの葉ってところで、由緒ある高貴な植物なんです。
「よりを戻す」とか「幸せな恋」などロマンティックな花言葉通りに、夏から早秋になると可愛い黄色い小さな花を咲かせます。
12/5の誕生花でプレゼントとして贈られることもあったんです。なのに、今では酷い仕打ちを受けています。
先ず呼ばれ方です。
「Ragweed」とか「Hogweed」、日本では「ブタクサ」やら「ビンボウグサ」です。
豚の様に卑しいとか、豚しか食べないとか、豚しかいないような土地にしか生えないとか、とにかく酷い呼ばれようなんです。
更に私どもは、生態系に悪影響を及ぼし得るとして、外来生物法にて「要注意外来生物リスト」に載せられている有様です。
一体、私どもが何か悪いことをしたのでしょうか。
私どもも必死に生きているのに豚呼ばわりは酷すぎるとは思いませんか。
セイタカアワダチソウっていう同じ北アメリカ出身の仲間もいるんですが、彼らは薬草として使用され、アトピーや皮膚炎症、腎機能改善、血圧低下など様々な用途に重宝されています。
見た目も私どもとなんら変わりはないのに扱われ方に酷い差があるのです。
でも、そう扱われる理由はわかっているんです。
私どもが咲かせる可愛いお花から飛散する花粉によって、皆さんが様々な症状に悩んでいることを。
今では世界三大花粉症原因の一員として悪名高き雑草とされてしまったことも、全ては多くの方々にご迷惑をかけ続けてきた私どもに原因があるのです。
しかしながら、道端で皆さんにお目にかかる時に冷たい視線を受けるのは辛いものです。
私どもに悪気はないんです。
私どもが花粉を飛散する時期は年間で決まっているんです。
日々の飛散時間もほぼ決まっています。
その時期や時間帯に気をつけてくだされば私たちの花粉に悩まされることは無くなるんです。
ここに、私どもブタクサの全てを告白します。
これを読んで、私たちの習性を理解していただき、少しでも花粉の悩みを解消してもらえればと思ってのことです。
私どもブタクサの習性です
先ずは、私どもの外観、習性、花粉により皆さんにどんな迷惑をかける可能性があるかをここに記載させていただきます。
自分で特徴を紹介するのは少し照れるのですが、私どもの習性を紹介させて頂くことで、皆様の花粉対策などお役に立てるかと思います。
ブタクサの外観
生まれは北アメリカですが、今では外来種として南アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなど世界中に私どもの仲間は移入分布しています。
雌雄同株の草丈が30cmから100cm程度の雑草で、2~3mm程度の黄色い小花が房状に細長く連なり、その下に雄花を複数個咲かせます。葉っぱは細く切れ込んだ形をしているんです。
私どもにはオオブタクサという兄弟がいて、草丈が2〜4mと一回り大きく、葉っぱの形はノコギリの様に3から5つに切れ込んでいます。茎の上部に雄頭花が房状につき、その下に雌頭花を咲かせます。見た目は私どもより少々イカツイ感じの兄弟なのですが、見た目や習性は同じと考えていただければよいのです。
ブタクサは風媒花
私どもは風媒花です。
風媒花というのは、風の力を借りて花粉を飛散し、繁殖する一族のことです。
この習性が皆様に花粉でご迷惑をおかけしている根源なのです。
ちなみにセイタカアワダチソウは虫媒花といって、虫に花粉を運ばせて繁殖するという姑息な手段をとる種族なのですが、結果的に花粉を飛散しないのです。この差が私どもにとって致命的な差なんです。あ、すみません。つい愚痴になりました。
ですが、スギなどの花粉飛散は数百キロに及ぶ大々的な飛散なのですが、それに比べて、私どもの花粉はたかが数十メートルです。
言ってしまえば20メートル離れてくれさえすれば花粉は届かず、花粉接触など起こり得ないのです。
ブタクサの棲息域
繰り返すようで恐縮ですが、私どもは常に必死に生きております。
幸いにも少しの水分と栄養さえあれば逞しく生存できる能力があるのです。ですから、道端、空き地、河川敷など皆様がお住まいのすぐ側に棲息させていただいております。
思いの外、皆様の身近に清掃している雑草で、私どもは皆様のことをよく存じ上げております。
ブタクサ花粉の特徴と症状
私どもの花粉は杉の花粉と比べて一回り小さく20μm程度なんです。
凄く控えめな花粉ですが、花粉が小さいがために、皆様人間の皮膚の毛穴に入り込んで肌荒れや痒みを引き起こすようで、女性の方には化粧のノリが悪いなど、特にご迷惑をおかけしているようです。
また、控えめな小さな花粉は鼻や口に入っても粘膜や体毛をすり抜けて呼吸器系に侵入しやすいので喘息や喉痒みなど、スギ花粉にはない症状を引き起こしていて「喘息草」などと言われるほどなんです。
また、私どもの花粉のアルゲンはウリ科とたまたま似通っているだけなのに、花粉症状を発する方の中には、メロンやスイカなどウリ科の果物を食べると口周りや口内がかゆくなったり、ひどい場合は蕁麻疹などの食物アレルギーを起こされるようです。
ひどい場合はアナフィラキシーショックといわれる酷い蕁麻疹と呼吸困難な状態に陥る危険もあるとされているんです。
本当にご迷惑をおかけして申し訳なく感じておりますが、以下の点にご注意いただければそのような事態になることは御座いません。
私どもブタクサの花粉飛散時期は
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故郷のアメリカでは、私どもブタクサの花粉シースンになると、私どもの存在しない欧州などへ旅行に出かけられる方もいるようです。
日本は狭く四季折々の国ですので、ちょっとした地域差で私どもの花粉飛散時期も異なります。
地域別に花粉飛散時期を告知させていただきますので是非参考にされてください。
飛散時期に数メートル離れていただければ問題はないと存じ上げます。
北海道
私どもは北海道には存在しておりません。
北海道は長い冬と短い夏という私どもには過酷な場所です。
なのでブタクサ花粉でお悩みの方々は北海道へ退避なさるのも一つの解決策ではないかと考えております。
あ、なんかすみません。そんなこと申し上げる立場ではないことは承知しております。
東北
秋が少し早い寒冷地域なので少し早めの飛散をさせていただいております。
およそ8月中旬から10月中旬ですがピークは9月の初旬となります。
関東
私どもの仲間が最も多く自生させていただいている大変お世話になっている地域となります。
花粉の飛散時期は7月中旬から12月ぐらいと少々長く、ピークは8月下旬から9月下旬です。
棲息する仲間の数が多いため、花粉飛散も若干のばらつきがあることをご理解ください。
東海
なぜかこの地域に私どもはそれほど自生しておりません。
ですから、花粉飛散とそのピークが9月という短い時期で終了させていただいています。
自生する数も少ないため飛散する花粉も少ないため、それほどご迷惑をおかけしていない地域かと理解しております。
関西
南に行くにつれて花粉飛散時期は遅くなる傾向にあります。
飛散時期は8月下旬から10月中旬で、ピークは9月の1ヶ月だけで秋が近づくと花粉はすぐに収まります。
九州
九州では9月に入ってようやく開花します。
すぐに秋を迎えるため花粉の飛散時期も9月下旬から10月中旬と短いシースンです。
実質、飛散ピークは1〜2週間と、この地域では短期間のみご迷惑をおかけしております。
沖縄
花粉飛散時期、ピークとも10月の一月間です。
沖縄ではサトウキビによる花粉被害が多いため、私どものへの非難も多少すくなくありがたいお話です。
私どもブタクサが花粉飛散する天候と時間は
私どもも生き物です。
ある一定のサイクルで活動させていただいていますので、日中に花粉を飛散する時間もほぼ決まっております。
この時間帯のみ注意していただければ、それほどご迷惑をおかけすることはないことを知っていただきたいのです。
花粉飛散する天候
雨の日は花粉を飛散しません。
飛散してしまう日は晴れの日が多いです。
特に雨上がりの晴れの日は、なぜか花粉を飛散してしまう傾向にあるので勘弁ください。
花粉飛散の時間帯
私どもは寝起きが悪く、早朝はボーとしていて地面や葉っぱについた水分を吸収するのに精一杯です。
水分補給とともに目が徐々に覚め始めると今度はお腹が減ります。
午前中は地面から栄養素を吸い上げるのに私どもは精一杯なのです。
この栄養素を蓄えないと花粉を飛散できないのです。
ですから早朝から午前中に花粉を飛散することは滅多にないことを知っておいてください。
花粉を飛散する時間帯は午後なんです。
十分栄養をとった午後こそ私どもが花粉を飛散してしまう時間帯なのです。
晴れた日の午後、ある程度の風が吹く条件こそが花粉飛散の時間帯です。
時間で言えば午後1時から3時ぐらいまでの間です。
この時間帯さえ注意していただけたら絶対にご迷惑はおかけすることは無いのです。
この時間帯に花粉飛散したあとはのんびり風に吹かれてその日を暮らしています。
最後にブタクサより
私どもブタクサがお伝えできる内容は以上です。
私どもが花粉を飛散する季節や天候、時間帯にご理解をいただき、その時間に花粉回避さえしていただければ、なんらご迷惑をおかけするような生き物ではないことがお分かりでしょうか。
是非この情報を活用し、私どもへの理解を深めていただければと願うばかりです。
これ以上、心外な扱いをされるのは勘弁していただきたいのです。
そして私どもを道端で見かけたら、冷たい視線ではなく目を細めて微笑んでもらえるだけで十分なのです。
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